国宝五城めぐり(40) 犬山エリア⑧犬山城天守からの眺め(南) 寺澤禎則

犬山城天守から南の眺め。
今回天守に登ったのは、この景色を見たかったためです。

このエリアが、天正12年(1584年)羽柴秀吉vs織田信雄・徳川家康の
小牧・長久手の戦いの現場となったところです。

織田軍に味方すると思われていた池田恒興が羽柴軍に寝返り、ここ犬山城を占拠。
それに対し、家康は小牧山城に入ります。
写真中央やや右に、名古屋駅周辺の高層ビルが見えます。
それと重なる手前の小高い丘が、小牧山城です。

このあたりに両軍とも砦や土塁を多数構築したことで、
双方手出しができなくなって戦況は膠着します。
犬山城~小牧山城は約10km離れていますが、
軍勢がいるところは両城から良く見えたことでしょう。

その後、池田恒興の進言により、三河中入り作戦が行われますが、
徳川軍に見破られ、長久手の戦いで池田恒興や森長可は討死。
双方自陣に戻って再び戦況膠着。
このあたりは昨秋のイベントで訪問しました。

各地での戦いを経て、秀吉が信雄と講和を成立させ、
大義名分を失った家康は三河に帰国して小牧の戦いは終わります。

合戦は現地へ行くことで、理解がとても深まります。

本部(水)・ソレイユカルチャーセンター三郷(月)講師
寺澤 禎則
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